県は「これは廃校ではありません。統合です。二つの学校のよいところを吸収し・・・」(26日・説明会)と語ります。しかし、市川北、船橋旭、松戸矢切にとっては事実上の廃校です。大がかりな「高校つぶし」です。
やり方が民主的でありません
@県民・生徒が主役なのに・・・誰にも知らせず突然公表
県は7月19日に突然、統廃合計画第三期プログラム案を発表しました。該当校の生徒や保護者、教師、地域住民にはいっさい知らせず、まさに秘密裏に計画をすすめていました。
26日、市川市文化会館大ホールで県主催の説明会がありましたが、広報などによる周知はまったくなく、東京、毎日などの新聞に告知されただけです。1,000人以上収容可能な会場に、わずか100名足らずの住民。関心がないために集まらなかったのではありません。まして、県の計画に賛成の県民ばかりだから100人の参加だったのではありません。ほとんどの県民が計画自体を知らなかったのです。日本共産党の街頭宣伝でも、「え、そんな計画があるの?」と驚く人ばかり。それなのに県は説明会で、「県主催の説明はこれで終わり」と明言し、「これ以上の説明が必要なら、各該当校の校長を通じて申し入れてくれれば相談に応じる」「個別の質問には答えられない」とのべました。参加者からは、「誰も納得していない」「あまりに乱暴なやり方だ」「説明会をやり直せ」と怒りの声が飛びました。
・ 7月4日、6月県議会の文教常任委員会で日本共産党の三輪県議が「第三期プログラム案の公表はいつか」とただしたところ、県は「未定」だと答えていました。しかしそのわずか2週間後の19日に突然の発表。しかも、市民への説明会の会場だった市川文化会館大ホールを予約したのは、4月末であったと、説明会での質問に県が答えています。6月県議会での答弁は、まったくのウソ。重大な県議会軽視です。
7月24日、日本共産党市議団が市川市教育長へ聞き取りをおこない、市の教育委員会は、統廃合計画を知らされたのは発表のわずか1週間前の7月12日だったと答えました。教育長は、説明会の開催を「新聞報道で知った」とのべました。あまりにも地元軽視ではないでしょうか。
7月19日の突然の発表に、一番とまどい、怒りをおぼえたのは生徒、保護者、教師のみなさんでしょう。生徒は終業式の日に聞かされました。説明会で市川北高在校生のお母さんは、「学校から帰ってきた息子が、『学校がなくなるんだって』と寂しそうに言っていた。子どもたちの気持ちは考えてくれていますか?」と訴えていました。
A意見を聞く気がありません・・・意見募集は形だけ?
県は県民からの「意見募集」(パブリックコメント)※メアドリンク をおこない、「さまざまな県民のみなさんの意見を聞く」(説明会で)と言っています。しかし締め切りは9月12日。夏休み直前に発表し、二学期がはじまってわずか二週間足らずで締め切りです。説明会で「パブリックコメントの期間をのばすべきだ」との意見がでましたが、県は「県のきまりでは30日以上あればパブコメはOK。今回は重要な問題なので、50日以上設定している」と、あたかも従来以上に県民の意見を聞いてやっていると居直る態度です。
* 秘密裏に計画をすすめ、十分な説明もせず、意見募集期間も夏休み期間にずっぽり重なる、単なるアリバイ。まさに「県民は知らないうちに、県民がゴタゴタ言わないうちに」すすめてしまおうという、姑息なやり方です。まったく非民主的です。
計画内容もめちゃくちゃです。
@県作成の「再編計画」自体を逸脱した内容です。
当初、県は「再編計画」の中で、全県で県立高校を142校から127校へ、15校減らすとしていました。第一期、第二期で13校が減らされています。第三期プログラムが実施されると4校が減り、いわば「超過」達成になります。説明会でこの点を追及された県は、「超過、といっても2校ですから」と答えました。過去から未来にわたって、二つの県立高校に関わる県民はどれだけの人数に及ぶと認識しているのでしょうか。
県は「再編計画」の中で、「適正学級規模」に満たない学校を統合の対象とするとし、1学年に4〜8学級が適正である、と説明してきました。しかし市川北も市川西も、5クラス。適正規模の枠内です。そこで県は、第3期プログラム案について「6クラス〜8クラスが適正規模であり、5クラスの市川北と市川西は適正以下である。」と、当初の主張を勝手に修正してきたのです。
A統廃合に根拠はありません。
県は、「生徒の数が減るから」と理由を説明しています。しかし、これはまったくのでたらめです。県は「再編計画」の中で、「平成元年3月をピークに減少期に入り、平成14年3月はピーク時の62%にまで減少した」とのべています。平成元年を起点に描けば、子どもの数は減っていますが、今後、子どもの数は減りません。県自身が「全県的には平成23年(2011年)まで横ばい」と述べました(7月26日・説明会で)。行革推進委員会でも、「生徒の減少が止まり・・・」と語っています。

特に市川、船橋、浦安、松戸の第二学区は「横ばい」どころか、今後子どもの数は増加することが見込まれています。2,011年までの5年間で1,476人増えます(右グラフ参照)。1クラス40人として考えても、6クラスの高校6校分の数です。学校は足りないのです。
| ここ四年間の 倍率平均値 |
| 船橋西 | 1.33 |
| 船橋旭 | 0.87 |
| 市川西 | 1.28 |
| 市川北 | 1.02 |
| 松戸秋山 | 1.21 |
| 松戸矢切(普通) | 1.18 |
| 松戸矢切(福祉教養) | 1.30 |
しかも、現在急がれているのは、少人数学級の実現です。少人数学級の実施には、むしろ教師の増員、教室の増置が必要となります。高校を減らしていけば、少人数学級の実現は遠のくばかりです。
また、今回統廃合の対象になっている市川と周辺の4校で、志願倍率は安定しています。誰が「なくしてくれ」と言っているのでしょう。
公私立高校納付金状況
| 公立 | 私立 |
| 年間納付金(初年度) | 120,850 | 668,542 |
| 年間納付金(2,3年次) | 115,200 | 406,452 |
| 3年間納付金 | 351,250 | 1,481,446 |
小泉構造改革により、「格差社会」や「貧富の拡大」が大きな問題になっているいま、子どもたちが、お金の「有る無し」で教育を受けられない事態を避ける対策が重要です。
私立高校の納付金は、県立高校の約4倍です。(上表)バブル期には定員オーバーだった私立高校はいま、志願者数が大きく減っています。経済情勢もその一因と考えられます。公立高校の存在意義は、いままさに大きくなっています。「公立高校を減らせば、行きたければ私立に行くだろう」・・・・県がもし、こんなふうに考えているとしたら、大きな間違いです。
県は、統廃合の目的は「生徒がその個性を最大限に生かせ」る学校づくり、「生徒や教職員が生き生きと活動して、元気のある」学校づくりなどだといいます。しかし本音は、公務員減らしと経費節減が目的です。県は、知事の諮問機関として「行政改革推進委員会」(座長・加藤寛千葉商科大学長)を設置しています。ここが「福祉を削れ」「公務員を減らせ」「補助金を削れ」と県政に意見し、この間、県は福祉や医療の予算をバサバサと削減してきました。統廃合計画もその一環です。
昨年11月25日、行革推進委員会の第32回会議が開かれ、そこで県立高校再編について議論されています。その中で、委員は「教員の人件費は・・・どのくらい削減できるか」「県立をやめてもいいのでは。・・・・東京ではみな私立にいく」などと、学校減らせ、教員減らせの大合唱。
では、学校1校で、お金はいくら浮くのでしょう。県議会・文教常任委員会で、日本共産党の三輪由美県議にただされ、「およそ1億円」と答えています。06年度の県予算で、八ツ場ダムに32億円、東京外環道路に35億円が計上されました。90年度から累計すると、外環道路に1,251億円ものお金が使われています。「必要ないダム」「1m1億円の高速道路」など、巨大開発にはいっさいメスを入れず、しわ寄せは教育、福祉へ。
政治の大切な務めである「教育の充実」を脇におき、「学校減らし」で財政を立て直そうなどという魂胆は、道理にも合いませんし、財政再建の効果にもつながりません。